スクワットのフォーム:初心者がつまずく5つのポイント

スクワットは、下半身を鍛える代表的な種目です。一方で、フォームが崩れると膝や腰を痛めやすい種目でもあります。初心者がつまずきやすい5つのポイントに絞って、基本のフォームを解説します。

始める前の準備

  • パワーラックのフックは、胸の中ほどの高さにします。少し膝を曲げてバーの下に入り、立ち上がるとバーが外れる高さです。
  • セーフティバーは、一番深くしゃがんだときのバーの高さより少し下にセットします。
  • バーを外したら、2〜3歩だけ後ろに下がって構えます。歩く距離が長いと、それだけで疲れて危険です。

ポイント1 バーをかつぐ位置

バーは首の骨の上ではなく、肩の後ろの盛り上がった筋肉に乗せます。これを「ハイバー」と呼びます。肩甲骨を軽く寄せると筋肉が盛り上がり、バーが安定します。

バーをもう少し低く、肩の後ろ側に乗せる「ローバー」という方法もあります。ローバーは上体が前に傾きやすく、肩の柔軟性も必要です。初心者はハイバーから始めるのがおすすめです。

手幅は肩幅より少し広めにします。手首はまっすぐに保ち、バーの重さは手ではなく背中で支えます。

ポイント2 足幅とつま先の向き

足幅は肩幅くらいが基本です。つま先は少し外側、15〜30度くらいに向けます。

体格や股関節の柔らかさによって、しゃがみやすい足幅は人それぞれです。足幅を少しずつ変えてみて、深くしゃがんでも腰が丸まらない位置を探しましょう。

ポイント3 しゃがむ深さ

太ももが床と平行になるくらいまでしゃがむのが目安です。これを「パラレル」と呼びます。パワーリフティングの試合では、太ももの付け根が膝の上端より低くなるまでしゃがむ必要があります。

浅いスクワットは重い重量を扱えますが、お尻や太ももの筋肉を十分に使えず、記録も伸びにくくなります。

深くしゃがむと腰が丸まってしまう場合は、無理に深くせず、腰をまっすぐ保てる深さまでにします。足幅を広げたり、つま先をもう少し外に向けたりすると改善することがあります。

ポイント4 膝の向き

膝は、つま先と同じ方向に曲げます。しゃがむときや立ち上がるときに膝が内側に入る「ニーイン」は、膝を痛める原因になるので注意しましょう。

「膝がつま先より前に出てはいけない」と言われることがあります。しかし、足首が曲がる分だけ膝がつま先より少し前に出るのは自然な動きです。無理に膝を後ろに残そうとすると上体が前に倒れすぎて、腰の負担が増えます。

ポイント5 呼吸と腹圧

しゃがむ前に大きく息を吸い、お腹全体に力を入れて固めます。これを「腹圧を入れる」と言います。お腹が固まると背中がまっすぐ保たれ、重い重量でも体がぶれにくくなります。

息を止めたまましゃがみ、立ち上がってから息を吐きます。軽い重量のうちから、毎回同じ手順で練習しましょう。

息を止めて力むと、血圧が一時的に大きく上がります。高血圧や心臓の病気がある方は、医師に相談してから行ってください。

よくある間違いと直し方

間違い原因の例直し方
かかとが浮く足首が硬い、足幅が狭い足幅を少し広げる。かかとが少し高いシューズを使う
立ち上がるときにお尻だけ先に上がる重量が重すぎる、太ももの前の筋力不足重量を下げる。胸を張ったまま、肩とお尻を同時に上げる
腰が丸まる深くしゃがみすぎている、腹圧が抜けているしゃがむ深さを調整する。毎回しっかり息を吸って固める
膝が内側に入るお尻の外側の筋力不足床を足で外側に広げるように押す

視線は2〜3m先の床あたりに向けると、首が自然な位置に保たれます。

フォームの確認と、挙がらないときの逃げ方

自分のフォームは、動画を撮ると一番よくわかります。スマートフォンを体の真横、腰くらいの高さに置いて撮影しましょう。しゃがむ深さや、腰が丸まっていないかを確認できます。

挙がらなくなったときは、無理に立ち上がろうとせず、しゃがんだままバーをセーフティバーに下ろします。軽い重量のうちに一度練習しておくと安心です。

フォームが固まったら、8週間のメニューで重量を伸ばしましょう。

8週間メニューを作る