ベンチプレスのフォーム:肩を痛めないための基本

ベンチプレスは、胸・肩・腕を一度に鍛えられる人気の種目です。ただし、フォームが崩れると肩を痛めやすく、バーを落とす危険もあります。安全に重量を伸ばすための基本フォームを、順番に解説します。

始める前の準備

  • ラックの高さは、あお向けで腕を少し伸ばせばバーを外せる位置にします。高すぎると、外すときに肩に負担がかかります。
  • セーフティバーは、胸を張ってバーを胸につけたときの高さより、少し下にセットします。
  • 重い重量に挑戦するときは、補助者をつけます。

セーフティバーも補助者もない状態で、限界に近い重量を扱うのはやめましょう。

ポイント1 寝る位置

ベンチにあお向けになり、目がバーの真下にくる位置に寝ます。頭側に寄りすぎると押し上げるときにバーがラックに当たり、足側に寄りすぎるとバーを外すのが大変になります。

ポイント2 手幅と握り方

手幅は肩幅の1.5倍くらいが目安です。バーを胸まで下ろしたときに、前腕が床に対して垂直になる幅がよいとされています。パワーリフティングの試合では、人差し指の間隔を81cm以内にするルールがあります。

バーは手のひらの付け根側に乗せ、手首がまっすぐになるように握ります。手首が後ろに大きく折れていると、手首を痛める原因になります。

親指をバーに回さずに握る「サムレスグリップ」は、バーが手から滑り落ちる危険があります。初心者は必ず親指をバーに回して握りましょう。

ポイント3 肩甲骨を寄せて下げる

寝る前に、肩甲骨を背中の中心に寄せて、お尻の方向に下げます。胸を張った姿勢になり、肩が前に出にくくなるため、肩の負担が減ります。

胸を張ると、背中とベンチの間に自然なすき間ができます。これを「アーチ」と呼びます。無理に大きく反る必要はありませんが、お尻はベンチから浮かせないようにしましょう。

ポイント4 足の置き方

足は床にしっかりつけ、膝の真下か、少し手前に置きます。足で床を踏ん張ると体が安定し、力をバーに伝えやすくなります。これを「レッグドライブ」と呼びます。

足をベンチの上に乗せたり、宙に浮かせたりすると体が不安定になります。重い重量では避けましょう。

ポイント5 バーを下ろす位置と軌道

バーは、みぞおちから乳首の少し下あたりに下ろします。首や鎖骨の方に下ろすと、肩に大きな負担がかかります。

肘は体の真横に開かず、体から45〜70度くらいの角度にします。上から見て、腕と体で矢印のような形になるイメージです。

押し上げるときは、バーを少しだけ頭側に向かって斜めに押し上げます。挙げきったときに、バーが肩の真上にくるのが目安です。

よくある間違いと直し方

間違い問題点直し方
肘を真横に開く肩を痛める原因になる肘を体から45〜70度に保つ
お尻がベンチから浮く腰を反りすぎて痛めやすい。試合では反則お尻をつけたまま押せる重量に下げる
バーを胸で弾ませる反動で胸や肋骨を痛めることがある胸に軽く触れたら、弾ませずに押し上げる
手首が後ろに折れる手首を痛める原因になるバーを手のひらの付け根に乗せ直す
肩がすくむ肩が前に出て負担が増える寝る前に肩甲骨を寄せて下げ、最後まで保つ

挙がらなくなったとき

途中で挙がらなくなったら、無理に押し続けず、バーをゆっくり胸の上まで下ろしてセーフティバーに乗せます。その後、体をベンチの足側にずらして抜け出します。

補助者がいる場合は、挙がらないと感じた時点で声をかけて手伝ってもらいます。始める前に、合図の出し方を決めておきましょう。

フォームが固まったら、8週間のメニューで重量を伸ばしましょう。

8週間メニューを作る